予防歯科の目的とは
予防歯科といえば、定期的に歯医者さんに通ってむし歯や歯周病にならないようにお口の中をきれいにしてもらう。そんなイメージではないでしょうか?もちろんそれも大切ですが、最近の研究で分かってきたことがあります。それは、『お口の中の定期的なメインテナンスが生活習慣病の予防・改善に役立つ』ということです。 以前は歯を残すための予防歯科でしたが、現在は全身の健康づくりのための予防歯科なのです。
古い歯垢が慢性炎症を起こし、炎症性物質がインシュリンを阻害して糖質代謝を悪くする。その結果血糖値が上昇します。血糖値が高い状態を糖尿病といいます。糖尿病はなぜダメなのか。それは、私たちの 体は血糖値が180〜200mg/dl程度までしか耐えられないのです。
高血糖状態が続くと、身体は「糖化ストレス」で老化してしまいます。真っ先に糖化ストレスで破壊されるのが、血管壁なのです。血糖値が高いと普通の人より体(肌)の老化が早くなってしまいます。これは研究で分かっています。
歯周ポケット(歯と歯茎のすき間が深くなった状態)から毎日古い歯垢中の菌が血管に侵入し、血管壁を傷めます。その結果動脈硬化を引き起こします。歯周病予防が動脈硬化の予防になるのです。
古い歯垢中の口腔細菌で老人性肺炎に!誤嚥性肺炎と言って、肺の中に菌が入ることによって肺炎を起こします。その他にも歯科疾患の予防は脳血管疾患、骨粗しょう症、肥満、高脂血症、心臓血管疾患等の予防・改善・治療に役立ちます。
誰でも自分の歯は抜きたくないものです。しかし、重度歯周病の歯を抜かずに無理やり残しておくことは、他の歯に悪影響となるだけでなく、歯垢の溜まり場になり全身に悪影響を及ぼします。患者さんが抜きたくないからと、残してはいけない歯を残すのが本当に良い歯医者でしょうか?残せる歯はできる限りの治療をして残しますが、どうしてもダメな歯は抜歯したほうが良いのです。
お口のメインテナンスを怠ると、むし歯や歯周病で歯を失います。歯を失うと見た目が悪いだけでなく、良く噛んで食べることが出来なくなります。そのため柔らかいものしか食べられず、栄養バランスが悪くなったり丸呑みや過食による肥満にもつながります。
北欧では成人の82%が歯科を定期受診しています。日本では歯科を定期受診する人の割合はわずか6%です。日本人は痛みなどの自覚症状がなければ歯科を受診しない人が多く、米国の低所得層よりも歯科受診率が低いのです。あなたの健康寿命を延ばすために定期健診を受けましょう。
当院は治療だけでなくメインテナンスも自費で行っていますが、本当は予防には保険はきかないのです。ではなぜ保険でやっているところがあるのか?それは、病名をつけて無理やり保険請求しているだけなのです。また、保険では診療報酬が低すぎて十分な時間をかけることができません。治療もメインテナンスも短時間で終わりませんか?保険で時間をかけてしっかりやっていたら、赤字になって経営が成り立ちません。ちょっとお掃除しただけでは不十分なのです。そのため当院では時間をかけてしっかりとした治療やメインテナンスをさせていただきます。
当院では精密根管治療だけでなく、予防歯科でもマイクロスコープで細部にまで確認し治療を行っています。マイクロスコープの良い点は下記の点などがあげられます。
マイクロスコープの普及は、歯の寿命を飛躍的に向上させるとされていて、さまざまな場面で役立てています。
芦屋MA矯正歯科では、スケーリングの際に、マイクロスコープを使用しております。肉眼では確認できない所も細部にわたってチェックし、歯石をお取りすることができます。
PMTCは、日頃の歯みがきではなかなか取れない歯垢や歯石を専用の機器で除去します。歯の着色が気になる方、口臭が気になる方、歯周病が心配な方にお勧めです。
歯の表面の傷の隙間に入った汚れに細かいパウダーを吹きつけ、歯を傷つずに落としていきます。使用後は歯がツルツルし、むし歯菌や歯周病菌、着色汚れの付着を防ぎます。
歯並びは一人ひとり違います。そのため、適したブラッシング方法も違ってきます。当院では患者さんの歯並びや口腔内の状態に合わせて、最適なブラッシング方法を指導しています。